ほつまつたえ
ランダムトーク 「ももそ姫、まかる」
ランダムトーク 「ももそ姫、まかる」 藤田 昇
「ほつまつたゑ」を読んでいくと、普通ではありえない不可解な記述が出てきます。
事実をありのまま書き残すと、代々の汚点になるような場合や、秘密秘伝のように口外出来ない内容について、うまく「夢のお告げ」などを利用して作文されていることに気がつきました。
誇りになるようなことは、非常に分かりやすく、比較的詳しく描写しているのに対して、これらの事柄については簡単にしか触れていなく解釈が難しく感じます。
不思議に思っていた一つに、箸塚古墳の主と思われる「ももそ姫」が亡くなられる時の描写です。
内容は、「おおもの主」(スサノウの子孫)の妻になった「ももそ姫」は、夜しか姿を見せず、昼間は姿を見せない主人の姿を見たいと願ったら、明日「櫛笥(くしげ)」に入っているので見ても驚かないでくれという「神」のお告げがありました。
翌日、「ももそ姫」はこっそり「櫛笥」を覗いたら其処には子蛇の姿を見てびっくりします。
大神は人の姿になり恥をさらしたと言って大空を駆け上がり消え失せてしまいます。そして、「ももそ姫」は恥を付かせてしまったと、箸で自分の御陰(みほど)を突いて自害された。というのが従来の解釈です。
江戸時代に出版された「鐡(鉄)山必要記事」(日本庶民生活資料集第10巻に収録1970年 三一書房)や「風土記世界と鉄王神話:吉野裕著」(1972年三一書房)を読んでみると、誤訳されていたいくつかの「キーワード」に気がつきます。
「子蛇」とは土(鉄分を含んだ土)を強力に燃焼させ、鉄分が溶けて流れ出し、ちょろちょろと生鉄が生まれた瞬間を見たことになります。まさに、新しい生命の誕生を意味しています。
この炉のことを「ほど」と言っており、秘事口述であったようで、最高の機密事項であったようです。新しい生命の誕生する場所から女性の陰部のことを「ほど」といったことにも関連付けられます。
「ほど」は、風穴、通風火床、火処の意味もあります。
また、炉の外側を土でたたき固めたことを保土とも言っており、(ほど)穴、保土(ほど)突という言葉も出てきます。
高殿(たたら)には、火窪(ほど)と称する簡単な炉で木炭と共に強熱して半融して鉄滓を追打ちしてしぼり出す工程が鍛冶(forging)という。とあります。
「はし」という言葉からは、ふつうは食事のときに使う「箸」を連想しますが、「鐡(鉄)山必要記事」には鍛冶屋の使う道具に「箸」の字の胴切り箸、二番切り箸(蟹箸)、胴焼き箸、箸喰い箸、板箸、小箸、頭箸、刃箸、箸摺などが9種類もあり、ここでは炉の鉄をつかむために使われた物と思います。
「くしげ」の「くし」は「櫛」ではなく「串」の事だと考えます。「箸」は2本一組で1膳と言いますが、ばらばらで置かれた状態・総称では「串」と言っていたものと思えるからです。
秘密秘伝の鉄を作る様子が分かってしまうようなことは一切書けなかったのでこのように分かりにくい表現になったものと考えます。
「ももそ姫」が「製鉄炉」という女人禁制の場所に入ったこと、必死の思いで土(砂鉄)を燃やし、溶け流れた鉄が生まれようとしていることに驚き、箸(鉄串)で、出てくる穴(ほど穴)を突いたので、保土が決壊して、一瞬のうちに炉の火が飛び散り焼け死んでしまったのが実際のことではなかったかと推察します。
決して、自分の子宮を箸で突いて自害したわけではなかったことが分かります。
尚、「ももそ姫」は「7代孝霊天皇」と「やまとくにか姫」の間に生まれた三つ子の一人で、後に「10代崇神天皇」暗殺の計画を見抜くなど、功績のあった方です。
以上
「ほつまつたゑ」を読んでいくと、普通ではありえない不可解な記述が出てきます。
事実をありのまま書き残すと、代々の汚点になるような場合や、秘密秘伝のように口外出来ない内容について、うまく「夢のお告げ」などを利用して作文されていることに気がつきました。
誇りになるようなことは、非常に分かりやすく、比較的詳しく描写しているのに対して、これらの事柄については簡単にしか触れていなく解釈が難しく感じます。
不思議に思っていた一つに、箸塚古墳の主と思われる「ももそ姫」が亡くなられる時の描写です。
内容は、「おおもの主」(スサノウの子孫)の妻になった「ももそ姫」は、夜しか姿を見せず、昼間は姿を見せない主人の姿を見たいと願ったら、明日「櫛笥(くしげ)」に入っているので見ても驚かないでくれという「神」のお告げがありました。
翌日、「ももそ姫」はこっそり「櫛笥」を覗いたら其処には子蛇の姿を見てびっくりします。
大神は人の姿になり恥をさらしたと言って大空を駆け上がり消え失せてしまいます。そして、「ももそ姫」は恥を付かせてしまったと、箸で自分の御陰(みほど)を突いて自害された。というのが従来の解釈です。
江戸時代に出版された「鐡(鉄)山必要記事」(日本庶民生活資料集第10巻に収録1970年 三一書房)や「風土記世界と鉄王神話:吉野裕著」(1972年三一書房)を読んでみると、誤訳されていたいくつかの「キーワード」に気がつきます。
「子蛇」とは土(鉄分を含んだ土)を強力に燃焼させ、鉄分が溶けて流れ出し、ちょろちょろと生鉄が生まれた瞬間を見たことになります。まさに、新しい生命の誕生を意味しています。
この炉のことを「ほど」と言っており、秘事口述であったようで、最高の機密事項であったようです。新しい生命の誕生する場所から女性の陰部のことを「ほど」といったことにも関連付けられます。
「ほど」は、風穴、通風火床、火処の意味もあります。
また、炉の外側を土でたたき固めたことを保土とも言っており、(ほど)穴、保土(ほど)突という言葉も出てきます。
高殿(たたら)には、火窪(ほど)と称する簡単な炉で木炭と共に強熱して半融して鉄滓を追打ちしてしぼり出す工程が鍛冶(forging)という。とあります。
「はし」という言葉からは、ふつうは食事のときに使う「箸」を連想しますが、「鐡(鉄)山必要記事」には鍛冶屋の使う道具に「箸」の字の胴切り箸、二番切り箸(蟹箸)、胴焼き箸、箸喰い箸、板箸、小箸、頭箸、刃箸、箸摺などが9種類もあり、ここでは炉の鉄をつかむために使われた物と思います。
「くしげ」の「くし」は「櫛」ではなく「串」の事だと考えます。「箸」は2本一組で1膳と言いますが、ばらばらで置かれた状態・総称では「串」と言っていたものと思えるからです。
秘密秘伝の鉄を作る様子が分かってしまうようなことは一切書けなかったのでこのように分かりにくい表現になったものと考えます。
「ももそ姫」が「製鉄炉」という女人禁制の場所に入ったこと、必死の思いで土(砂鉄)を燃やし、溶け流れた鉄が生まれようとしていることに驚き、箸(鉄串)で、出てくる穴(ほど穴)を突いたので、保土が決壊して、一瞬のうちに炉の火が飛び散り焼け死んでしまったのが実際のことではなかったかと推察します。
決して、自分の子宮を箸で突いて自害したわけではなかったことが分かります。
尚、「ももそ姫」は「7代孝霊天皇」と「やまとくにか姫」の間に生まれた三つ子の一人で、後に「10代崇神天皇」暗殺の計画を見抜くなど、功績のあった方です。
以上
by hon-hotsuma
| 2010-03-15 14:57
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