ほつまつたえ
ハタレ考1
8綾 「ハタレ」考 1
(8-24)
かだまろが いたれははたれ
いろかえて かきみたれたる
きくみちの ここさわゆくや
ひめおどり むらくもたひや
(8-25)
ほたるひの わらひあざけり
いかりびの あをたまはけば
すすみえず
「カダマロ」(荷田麿)が花山の野に着くと、「はたれ」どもは辺りの景色を一変させました。
花が咲き乱れている「菊の道」(黄色の道)になっている「ココサワ」(菊沢)に行きました。すると、「ヒメ踊り」のように地中に秘められていたマグマのようなものが噴出して踊っていました。空には、むら雲が立ち上り、松明が灯っているかのように明るく輝き、蛍火のように火花が降り注いでおりました。地中が嗤い嘲っているように辺り一面に、怒り火のように青珠が吐きだしていました。とても前に進めるような状況ではありませんでした。(藤田 訳)
この記述には、火山の噴火や硫黄鉱山の自然発火の様子、さらには鉱山での採掘状況が隠されているよう思われたからです。
いかりびの あをたまはけば (怒り火の 青珠吐けば)
添付写真が示している硫黄鉱山の硫黄の自然発火を見ると、まさに「怒り火の青珠が吐きだす」という情景を見ているような気がしてきます。
地獄の業火-青い炎が美しくも過酷な硫黄鉱山の写真52枚(Olivier Grunewald)より抜粋
http://www.inspiration-gallery.net/2010/12/12/
青い炎は硫黄が燃えている様子を表しています。
② ひめおどり むらくもたひや 姫踊り(秘め踊り)
写真は、桜島の噴火の様子ですが、地中に隠れていて今まで秘められていたマグマが噴出し、まさに踊りだしているという表現を使ったのではないかと考えました。
この噴火の様子が、「ひめおどり」(姫踊り)と称して、秘められていたものが踊っていると言っているという解釈も成り立つかなと思います。
「はたるび」(蛍火)とは、火口から飛び散っている無数の火の玉が線香花火のよう見えることを言っているように見えます。
③ 「オコゼ」・「アゲネズミ」・「フトマガリ」など
これらには、鉱物資源について隠された記述になっているように思えます。具体的に、どれが、どれに該当するのかは明確ではありませんが、少なくとも金属の原鉱石を象徴しているように考えます。
朱砂(硫化水銀)、水銀、銅、硫黄、金、銀などの地中から掘り出された原石の色、形状と似ていると思われるからです。
高野山の付近には、水銀(朱・丹生・硫化水銀)、銅、金などが埋蔵されていたことを考慮すると、渡来系の集団を含めて、これらの金属資源を我が物顔で探し求めていた人々を「ハタレ」であったと見なせるのではないでしょうか。
ハタレが飛びついた「オコゼ」は、辰砂(丹生・硫化水銀)の原鉱石のことを隠していたと考えます。(写真はオコゼと原鉱石 いずれもYahoo画面より拝借)
「アゲネズミ」も銅の原石あるいは他の金属の原鉱石のことが隠されていたと考えます。
揚げネズミと銅の原石 これらの写真はいずれもYahooより拝借
「フトマカリ」は餢飳(ぶと)、高糫(たかまがり)のことのようです。
↑特別公開文化財『下鴨神社』大炊...より
これも、金とか他の何かの原鉱石のことを隠すためであったような気がします。
今後、記載場所の考察や鉱山の産出金属などを照らし合わせて、特定できたらと思っています。
以上
(8-24)
かだまろが いたれははたれ
いろかえて かきみたれたる
きくみちの ここさわゆくや
ひめおどり むらくもたひや
(8-25)
ほたるひの わらひあざけり
いかりびの あをたまはけば
すすみえず
「カダマロ」(荷田麿)が花山の野に着くと、「はたれ」どもは辺りの景色を一変させました。
花が咲き乱れている「菊の道」(黄色の道)になっている「ココサワ」(菊沢)に行きました。すると、「ヒメ踊り」のように地中に秘められていたマグマのようなものが噴出して踊っていました。空には、むら雲が立ち上り、松明が灯っているかのように明るく輝き、蛍火のように火花が降り注いでおりました。地中が嗤い嘲っているように辺り一面に、怒り火のように青珠が吐きだしていました。とても前に進めるような状況ではありませんでした。(藤田 訳)
この記述には、火山の噴火や硫黄鉱山の自然発火の様子、さらには鉱山での採掘状況が隠されているよう思われたからです。
いかりびの あをたまはけば (怒り火の 青珠吐けば)
添付写真が示している硫黄鉱山の硫黄の自然発火を見ると、まさに「怒り火の青珠が吐きだす」という情景を見ているような気がしてきます。
地獄の業火-青い炎が美しくも過酷な硫黄鉱山の写真52枚(Olivier Grunewald)より抜粋
http://www.inspiration-gallery.net/2010/12/12/
青い炎は硫黄が燃えている様子を表しています。
② ひめおどり むらくもたひや 姫踊り(秘め踊り)
写真は、桜島の噴火の様子ですが、地中に隠れていて今まで秘められていたマグマが噴出し、まさに踊りだしているという表現を使ったのではないかと考えました。
この噴火の様子が、「ひめおどり」(姫踊り)と称して、秘められていたものが踊っていると言っているという解釈も成り立つかなと思います。
「はたるび」(蛍火)とは、火口から飛び散っている無数の火の玉が線香花火のよう見えることを言っているように見えます。
③ 「オコゼ」・「アゲネズミ」・「フトマガリ」など
これらには、鉱物資源について隠された記述になっているように思えます。具体的に、どれが、どれに該当するのかは明確ではありませんが、少なくとも金属の原鉱石を象徴しているように考えます。
朱砂(硫化水銀)、水銀、銅、硫黄、金、銀などの地中から掘り出された原石の色、形状と似ていると思われるからです。
高野山の付近には、水銀(朱・丹生・硫化水銀)、銅、金などが埋蔵されていたことを考慮すると、渡来系の集団を含めて、これらの金属資源を我が物顔で探し求めていた人々を「ハタレ」であったと見なせるのではないでしょうか。
ハタレが飛びついた「オコゼ」は、辰砂(丹生・硫化水銀)の原鉱石のことを隠していたと考えます。(写真はオコゼと原鉱石 いずれもYahoo画面より拝借)
「アゲネズミ」も銅の原石あるいは他の金属の原鉱石のことが隠されていたと考えます。
揚げネズミと銅の原石 これらの写真はいずれもYahooより拝借
「フトマカリ」は餢飳(ぶと)、高糫(たかまがり)のことのようです。
↑特別公開文化財『下鴨神社』大炊...より
これも、金とか他の何かの原鉱石のことを隠すためであったような気がします。
今後、記載場所の考察や鉱山の産出金属などを照らし合わせて、特定できたらと思っています。
以上
by hon-hotsuma
| 2016-04-13 16:18
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