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書感 暮らしのなかの左右学  藤田 昇

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暮らしのなかの左右学  小沢康甫著 東京堂出版 2009年10月 発行 ¥1500

以前、本の会のランダムトークで左か右かのテーマが取り上げられ、朝顔のツルの巻き方向や、エレベーターに乗るとき東京と関西で左右の違いなど話題になり盛り上がった記憶があります。たまたま、本書が目にとまりました。
内容は、著者が同人誌に50回にわたり連載したエッセー「右か左か・・・」を基にしており、実に多種多様に取り上げられていることに驚きました。
中でも気になった洗面台やトイレの排水の水の渦巻きについて良く調べ上げてあるので紹介します。あまりにも多岐に亘っているので後は目次のみにします。

洗面台やトイレの排水の水の渦巻きについて
北半球、南半球でのいろいろな方の調査や監察結果が面白い。小さなものは地球の自転には影響されない。衛生陶器のTOTOの回答で地球の自転の影響は受け無く、配管の状況で変わるそうです。右利きの人が歯ブラシなどを使って掃除しやすいように配慮してあるものもあるそうです。
ただし、半径が1メートルの円形の水槽で実験を行ったら何度やっても左回りの渦巻きが見られた。スケールの大きい器を使えば地球の自転を確かめられる。しかし、鳴門海峡の渦のように海底の岩の状況で右もあれば左の場所もある。
読むだけでも楽しい一冊でした。

なお、目次は
第1章 暮らしのなかの左右
1 右前・左前…日本人の衣服の変遷
2 男の右前、女の左前……洋服
3 装いと飾り  フラワーホール・スリッパ・水引・指輪
4 下駄に左右の別あり
5 カップの取り手はどちら
6 有勝手・左勝手…家の入り口
7 建具はなぜ右手前?
第2章 右か左か
1 男雛・女雛の並べ方
2 左舞と右琴…舞楽のふしぎ
3 国会議事堂の謎……衆参両院の左右
4 植物の螺旋……蔓・花の世界
5 台 風……風の渦巻き
6 洗面台の排水……水の渦巻き
第3章 右回り・左回り
1 競走馬はどちらに回る?
2 野球の走者はなぜ左回りか
3 トラック競技の左回り
4 回転木馬の興味津々
5 どちらに回す? 癖挽き臼
6 ぐるでる回る∵船の儀礼
7 回り灯ろう…仏教と右
8 星もぐるぐる…公転・自転の謎
9 気になる左回り・あれこれ 
第4章 通行法
1 「車は右」が優勢
2 通行法はこうして生まれた
3 人も車も左
4 人は右、車は左
5 鉄道の通行法…各国事情
6 陸蒸気から始まった左側通行
   …日本の鉄道
7 船と飛行機 
第5章 左右の優劣-日本編
1 左上位と右上位
2 上手・下手
3 しめ縄の謎
4 大相撲 横綱と番付
5 狛犬の阿吽
6 奥の手とは
7 左をめぐる吉凶
第6真 左右の優劣-海外編
1 右優位のヨーロッパ……手と足にみる観念
2 右優位のヨーロッパ…言葉の世界
3 イスラムの右優越 
4 時代で変わる左右の尊卑……中国
第7章 もっと探検
1 地名を歩く
2 左膳勝と甚五郎…名前のなかの左
3 なぜか、顔は左向き
4.動物ウォッチング
5 人体ウォッチング
6.卍の来た道

以上
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by hon-hotsuma | 2009-11-16 16:19

日本語の正体

日本語の正体 倭の大王は百済語を話す 金容雲(キムヨンウン)著 三五館社 2009年8月初版発行 10月2刷発行  ¥1500 書感 藤田 昇

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著者は韓国を代表する数学者でありながら、文化比較論者で日本側の平山郁夫氏とパートナーを組まれて、2009年まで日韓文化交流会議の韓国代表でおられた。戦前日本にも住まわれたそうで、日韓の古典から今の文化や社会まで知りつくされているからこそ、歴史の流れに沿っての解説は、納得できるものがありました。自分なりに日本語というものがより明確になりました。

著者によると、7世紀頃までは日本、韓国両地域の言語差は方言程度であったという。しかし、663年、白村江(はくすきのえ)の戦い以降、唐から入ってきた漢字に対する態度が全く異なる方向へ進んでいき、言葉が分かれていく状況が手に取るように分かります。

新羅による半島統一後の唐化政策の結果、漢文を中国式に棒読みするようになり、音の種類が膨大に増えて従来の仮名が対応できなくなったようです。
その結果、あらゆる音声に対応できるようにハングル文字が出現することになった経緯が理解できた。現在でも、韓国では漢字、一文字について日本語のように音訓あるわけでなく、一つの音読みの発音しかない。
日本人の最大の発明は漢文を日本語で読む訓読法と著者は指摘しています。小生も以前は韓国も当然同じと思っていました。だから、なぜハングルを漢字交じりにすれば良いのにと思っていたけれども、日本語のように漢字の訓読みが存在しないからできない話であることも良く分かった次第です。

言葉だけでなく、歴史の流れを正確につかまれているように見受けました。
百済から日本へジャパンドリームのように、15万人とも津波のように押し寄せてきたという背景も納得できました。

目からうろこだったのが、「聖徳太子が10人が一度に話す言葉を聞き分けられた」というのは、当時各方面からの10もの言語・方言を理解できたということを意味していたことが分かったことです。

また、近世になっても、各地方の大名や重臣たちは江戸城で通訳的な人を間に置いて対話することがあったようです。今日の日本の標準語は、わずか百数十年前に、江戸幕府の徳川将軍家直属の武士たちの言葉を中心に作られ、どの藩の人とも話が通じるようになった言葉としりました。

僅かながら、個々には納得のいかないところもありましたが、総体的によくここまで調べ上げた素晴らしい著書に感心しました。
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by hon-hotsuma | 2009-11-15 15:53

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