ほつまつたえ


Hotsuma tsutae feelings
by hon-hotsuma
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ホツマツタヱ解読

日本人が知らない漁業の大問題 
佐野雅昭著 新潮社 2015年3月発行

著者は水産庁勤務を経て、現在鹿児島大学水産学部教授で専門は水産経済学です。
帯表紙に、マグロ?ウナギ?そんなの「危機」じゃない!
「魚食崩壊」の深刻な実態 とあり、帯裏には、日本の漁業、卸売業者がこのまま劣化していけば、未来の消費者は「食」の豊かさも、日本が誇る「食」の文化も失ってしまうでしょう。資源の管理も大切ですが、魚がいなくなるより前に、魚を食べる人がいなくなってしまいそうです。冗談ではなく、現実的な文化の危機だと思います。と書いています。

魚好きの小生にとって、毎日当たり前に食べている魚が、スーパーの魚売り場を見ても、種類が少なく単調になってきており、店によっては、見ただけで鮮度が違い、買う気も起らないことも気になっていました。普段、魚に関しての情報は断片的でしかなく、どういう内容なのかと取り上げてみました。


以下、気になった項目を列記して見ます。
2013年度水産白書によれば、沿岸漁業家の漁労所得は2012年には約204万円まで低下、生活保護レベルを下回るレベルとのことです。
実質的には、副業や年金などで500万程度にはなると推測している。
若者が水産業には行かないので、後継者不足が深刻になっている。漁業の就業者は、24万人(2002年)→17万人(2012年)と減少、更に60歳以上が5割超えている現状である。
漁業への新規就業者数は全国全て合わせて2000人に達しない。このままでは将来日本から漁業が消滅する覚悟が必要である。
日本から漁業者がいなくなって近海のサバやアジ、サンマなどが食べられなくなるとしたら冷凍輸入魚ばかり、魚文化の崩壊につながると著者は憂いています。

本質を見失った水産基本計画
消費者は鮮度を重視、美味しいものを食べたい。この要求を正面から取り上げず、加工化や衛生管理、規制緩和ばかりに目を向けている。水産物は手間のかかる多様で複雑なもの画一にはいかない。
問題になっている背景として、漁業権の理念が薄らいでいる。
無秩序な輸出拡大・大手水産会社が買い占めて輸出、逆に国内では原料不足から輸入品にシフト。儲からなくなれば廃業では、食料安全保障の観点から自給率を引き下げる輸出拡大は考え物。
企業を後押しする委員会は、食料の自給率を維持する考えはなく、EPA(経済連携協定)やTPPを進めて海外から安い食料を輸入すれば良いと主張している。

漁協のシステム(自主的管理機構)にもっと目を見開く必要あり。
それぞれの地域ごとに持続的な資源管理が全国的に実現されてきた。世界中から注目を集めているが、多くの日本人は知らない。

日本の魚は安全、生鮮水産物流通のモラルと流儀
 原則的にその日のうちに漁獲されたそこにあるだけの魚を欲しい人が競い合いながら買う。供給量や価格を人間がコントロール出来ないものが前提。
流通業者の鮮度や品質を正しく評価する能力、すなわち「目利き」の力。専門的にならざるを得ない。
日本人には当たり前のことも、他国からは不思議。
卸売市場流通では日常的にサンプル検査が行われ、衛生的に基準を満たないものは排除、またどの業種・業態においても専門知識と的確なハンドリングのノウハウ、高いモラルとプライドを持った魚の専門家が水産物を扱い、刺身で食べることを当然の前提とした迅速な流通と適切な品温管理を行っている。彼らはまた、豊富な知識と柔軟な技能によってどんな魚でも的確に扱える。
世界中でここまで柔軟で高度な流通システムは他にない。再認識して大切にすべき。

魚食文化に逆行するファストフィッシュ
総務省の調査では、この10年間で生鮮魚介類の消費量は60代以上では減少していないが、50代以下では3割近く減少、20代世帯では4全体平均の半分程度で60代以上の高齢者世帯の4分の1以下。魚離れは外人並。
農林水産省の食料需給表で、2012年国民一人当たりの動物性たんぱく質は、鶏卵5.6g、牛乳・乳製品7.8g、畜肉15.1g、魚介類15,5g。食用水産物の自給率約6割、日本の畜産品(牛乳・卵含む)の自給率は約83%、その飼料の8割以上が輸入で実質的な自給率は16%程度。


養殖は、本来高級魚であったものが低価格を余儀なくされ大衆化され生産者の価格ジレンマが生じ、ブランド戦略も、一尾一尾の目利きが必要な水産物を、現実を無視して利己的なブランドを作ろうとしている。目先の利益が先走りしているように思える。

鮮度の良い天然の魚を適切な価格で食べたいと改めて思いました。

以上


ジョンレノ・ホツマ
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by hon-hotsuma | 2015-07-24 20:48

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