ほつまつたえ


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鈴と竹

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ホツマエッセイ 「スズ」は「」も意味している

 鈴について、なぜ神社の正面に鈴が祀られているかについて私の感じ取ったことを、前回、雑談として話させていただきました。

 この鈴のもとおりは、鉄分を含んだ泥が葦の根っこに溜まり、長い年月を経て球状の層が出来、褐鉄鉱と呼ばれています。根っこは涸れて中は空洞になり、中の枯れた根っこが塊となり振ると音がするので鈴石と言われるようになりました。この葦原の湿原にできた鈴石が鈴の原型となったと考えられます。

 水酸化鉄「FeO(OH)」でできたこの褐鉄鉱は350400℃という鉄よりかなり低温で分解・溶融が始まります。鈴が神社の正面に祀られているは、縄文時代に火力が充分に得られなかった時であったから、この鈴石を集め、溶かして生まれてできた鉄は非常に貴重なものであったと考えられ、尊ばれていたと思われます。

 次に、今回取り上げた「スズ」には、「鈴」以外に「竹」を示す意味が隠されていたことを知ったからです。

 スズ竹と呼ばれる竹の存在を「室井綽著 竹の世界 Part1,2 地人書房」により知りました。

本書で、スズ竹は鈴竹、根曲竹(ネマガリダケ)とも呼ばれていることを知り、この鈴竹の他にも、竹の偽年枝や、竹の開花と寿命について興味ある事柄を知りました。

 また、「両神の民俗的世界:埼玉県秩父郡旧両神村小森谷民俗誌」より、ここの方は、笹のことを「すず」鈴と呼んでいることも知りました。

① スズ竹

 紀伊半島には、スズ竹の群生地が多く、ズズ竹はミスズとも呼ばれ、ミは尊称である。この筍は春の山菜中、味の王様と呼ばれ、成長した竹稈は各種のザルとして強く美しく、山民の生活と密着しているものはない。

 著者は篠懸(すずかけ)というものを調べたとき、それは山伏が修行で大台ケ原や大峰山に登るときに着用していたコートで、雨露を防ぎ、笹葉で手足が傷つくことを防ぐためのもので、両縁と下部に小さい菊綴りがついている。実際に、大台ケ原へ実際にスズダケが群生しており覆いかぶさるなかを登山し、特に葉の長さが40cmもあり、イガスズと特別視されているスズダケは葉巾が広く見事であるとあり、もし、この道中に篠懸というコートを着用していなかったら全身傷だらけになっていただろうと感想を記されている。

 なお、信濃の枕詞にある「みすず刈る・・・」は鈴竹の必需品に対する尊称であったからと言われています。

尚、余談ですが灰田勝彦が歌っていた「鈴懸の径」の鈴懸はプラタナスのことです。

② 竹の偽年枝

 木には年輪と言うものがあり、伐採して幹を見れば年輪があり、おおよその木の年数が数えられます。竹の場合は、年輪がなく、年齢を数えるのは不可能であると思っていました。

 

 図のように、1年生、2年生、3年生と枝の出方で区別でき、外観で枝の節を数えて年が分かることを知りました。

 本書に、偽年枝と年齢の関係で驚くことに、竹は偽年枝(偽年輪)と呼ばれて、気象条件によって、伸長生長を1年に2回繰り返すということがわかりました。

 夏、日照りが続き、水不足などにより、枝の先端の葉が枯れてしまっても、秋になり慈雨にあうと、枯れ葉の基部から翌年伸びるはずの小枝の芽を伸ばし、葉を2,3枚つける。

 このように、伸長生長を1年に2回繰り返すことを偽年枝という。小枝の先端で明春伸びる予定の芽が、秋に伸びたことがわかる。

 初心者がみると、2年生の年齢と誤って判定する。しかし、竹林の持ち主や竹細工を職業とするような人には稈(かん:中空の茎)の色や固さ、株元に竹の皮をつけているなどで年齢を判断できるようです。

 以前、高畠先生のお話の中で、古代の人は長寿であったということや暦の解釈で、今の1年は当時の2年分であったかも知れないという疑問にも合致すると考えられます。

③ 竹の開花と寿命

竹は60年経つと(あるいは100年とか他の説もありますが)、花を咲かせて一斉に枯れてしまうことが確認されています。当時は、この竹が開花して枯れる期間を一つの暦の単位にしていたことが考えられます。

 枯れた竹を新しく植え替えることを言っているものと思えます。

竹の開花周期について、室井綽著のなかで、「日中ともに60年という俗説があるが、モウソウチクで中国から苗を取り寄せてから234年という記録があり、それまでの中国での年数を加算すると60年の5倍か6倍かわからないがとにかく長い。60年という数字は干支の最小公倍数でとにかく長いことを意味している。」と記載されています。

④ ホツマツタヱ記述より抜粋

-1 13綾の表題に「スズカ」という言葉があり、その説明の一部に(14ページ)「すずまさかき」という言葉が出てきます。

こたえとく すゞまさかき13-14

ほすゑのび としにきなかの

むよろほぎ

ワカヒコは答えて再び説き始めました。

 「スズ(鈴木)とは古代から植え継がれてきたマサカキ(天真榊)の事で、この木の成長は一年にキナカ(半寸・約1.5cm)ずつ穂が伸び続け、丁度六万年目にサクスズ(折鈴、枯れる)となる神木でこよみ(暦)の元となる聖なる木です。と、高畠先生のホームページ(2003年)で解釈されています。

-2 「サクスズ」という言葉は、8綾の冒頭(8-2最終行:小笠原)に出てきました。8綾以外にも「サクスズ」という言葉は、27綾、28綾にも出てきます。27-21,28-3,28-53,28-62.(和仁估安聰釋本)

おおんかみ あめがしたてる(8-2

くしひるに たみもゆたかに

ふそみよろ ふちみをやその

ふたとしを へてもやすらや

みかたちも なをわかやぎて

おわします ことしふそよの

さくすゞを ふそゐのすゝ

うゑかえて ふしにあたれは(8-3

 「さくすず」の「さく」は竹の花が、何十年もたって、初めて咲いて、枯れて落ちることを示していると思われます。

 ここで言っている「スズ」を竹のことと理解すれば、納得できると思いました。

以上


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by hon-hotsuma | 2018-06-29 21:05

ホツマエッセイ 神社の鈴の生い立ち


 神社の正面に鈴が祀られているのは、鈴の音が神様の御霊を引き付けるためという説明が一般的のようですが、生い立ちについては、触れておらずはっきりしていないようです。

 

 ホツマツタヱを読んでいくうちに、日本の創世記の葦原中国(あしはらなかくに)という言葉と、この鈴(すず)が結びついているような気がしました。

 

 「鈴」の生い立ちについて、古代の鉄とか金属関連を調査された方々の書物などから「鈴石」であることは承知していました。鈴石と言うのは中が空洞で振ると音がする石のことで、褐鉄鉱と呼ばれる水酸化鉄「FeO(OH)」のことですが、錫とも呼ばれていたようです。

 褐鉄鉱は、場所や形状によって、鈴石、鳴石、針鉄鉱、岩壺、高師小僧とも呼ばれているようです。

  

 火山国日本で、葦原の生茂っている茶色に色づいている水辺は鉄分が多く、長い年月をかけて葦の根元に鉄分が吸い寄せられ、水酸化鉄の被膜となって根の周りで成長し鈴の外側のようになり、やがて中に閉じ込められた葦の根は涸れはて中で固まり、振ると音が出るようになりました。鈴の原型と言えます。

 

 葦は、河川や湖沼の水際に背の高い群落を形成し、水流の少ないところに育ち、多数の茎が水中に並び立つことから、その根本には鉄分を含んだ泥が溜まりやすくなっているようです。

 

 根っこより茎の部分に纏わりついて細長いのが高師小僧と呼ばれているものです。この形の違う高師小僧も同じ水酸化鉄でできています。鉄鐸と呼ばれているものにそっくりです。

 

 では、なぜ、鈴が神社の正面に祀られているのか。それは、この鈴石を溶かして生まれた鉄は非常に貴重なものであったからです。

 昭和の時代までは「鉄は国家なり」と言われてきましたが、このホツマツタヱの前半がまとめられた紀元前660年より以前の紀元前1000年以上も昔から「鉄は国家なり」であったことが推測できます。これは、縄文時代の話になります。

 さて、この褐鉄鉱と呼ばれている水酸化鉄という化合物について、驚く事実を再確認しました。今まで、漠然と見過ごしてしまっていましたが、水酸化鉄は350400℃で分解を始めます。

 縄文土器の焼成温度は500600℃からサンプルによっては700800℃であったと報告されています。土器を焼く温度より低い温度で溶融できるわけです。鉄の分子そのものが完全に熔解するのではなく、不純物と分離して液状になっていきます。

 この水酸化鉄を鉄ではなく錫という表示している方もおられました。融点が低かったので勘違いされても当然だと思いました。

 私も、鉄(Fe)の熔解温度は800℃ですので、褐鉄鉱でも同じ程度の温度が必要であると思い込んでいました。今まで、想像していた以上に低い温度で溶け始めていたことを改めて認識しました。

 では、この鈴石・褐鉄鉱である水酸化鉄をどういう方法で溶融していたかですが、今までは具体的にどのような方法をとっていたか思いつくことが出来ないでいましたが、大型の縄文土器に入れて加熱していたということに合点がいきました。

  大型の縄文土器の華麗に装飾された外観は、土器の中に入れた鈴石・褐鉄鉱に少しでも速く熱が伝わり溶融するよう多くのヒレを作って表面積を大きくしたと考えられます。以前は、縄文土器のダイナミックな外観にただ感心していただけでしたが、用途が分かった上で改めて見ると納得できる外観に感心しました。

 この褐鉄鉱で作られた鉄は、権力者の象徴として、斧などに形を変えてより一層ゆるぎないものになっていったものと考えます。

ただ、ここでの完成品は通常我々が目にしている800℃以上で熔解された鉄製品とは違い、例えて言えば、漆喰のような感じのものではなかったでしょうか。硬さは得られても、耐久性については今一つと言ったところではないでしょうか。そのため、これらの製品が現存していない理由も理解できます。

 時間の経過とともに、あちこちで縄文土器によって褐鉄鉱の溶融が出来るようになると、原料となる褐鉄鉱取りつくしてしまい、探すことも大変になって来たと推測されます。多くの臣や民の時間と労力を要して出来上がった象徴として、鈴を献上し、引き続き鈴が得られるように願ったものと考えます。

 しかし、時代と共に、この葦の根や茎に付着していた鈴石を取りつくしてしまったら、今度は褐鉄鉱が成長するまで気が遠くなるほどの時間待たなければなりません。

 早く葦原で再生できるよう土の神や水の神に祈った化身が、銅鐸となり、鉄鐸となったのではないでしょうか。

 併せて、大陸に褐鉄鉱を求めて、あるいは新たな製鉄方法を求めていたことが考えられます。

後に、大陸から大量に砂鉄を使ったタタラ製鉄が導入されるからです。

 これは、当時の産業革命です。

褐鉄鉱・鈴石を何十年、百何十年と待つことなしに、川砂に含まれている砂鉄から鉄を作り出すことが出来るようになったからです。

 

そうなると、鈴石が早く成長できるようにと祈っていた銅鐸の存在価値が忽然と消えてしまいました。

 ここで、新しいたたら製鉄を採用する者と、今までの鈴石からの方法にこだわっていた者の間で、いろいろな争いごとが起こります。

 ホツマツタヱ34綾に「いずもをまつってください」という歌が暗示しています。

    ねみかがみ みそこたからの (み=3、そ=10、こ=9→39)

    みからぬし たにみくゝりみ

    たましづか うましみかみは

    みからぬしやも

 賀茂岩倉遺跡から39の銅鐸が出現しましたが、ホツマツタヱの記述の中に、「39体の「みからぬし」(銅鐸のこと言っていると思う)を谷底に置いたままになっている」が、まさにこの状況であったと思われます。

 このホツマエッセイのきっかけは「御柱祭 火と鉄と神と 縄文時代を科学する 百瀬高子著 渓流社 2006年7月」を読んで今まで漠然としていた個所がはっきりしたからです。ありがとうございました。

以上


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by hon-hotsuma | 2018-05-20 21:33

一つ目小僧と「つるぎ」(剣)

 ホツマエッセイ

一つ目小僧と「つるぎ」(剣)                  ジョンレノ・ホツマ

 三種の神器には、「勾玉」と「鏡」と「剣」があります。

今回は、その中の「つるぎ」(剣)をとりあげてみました。

「つるぎ」(剣)の生まれた背景、「つるぎ」(剣)のもつ意味合いがホツマツタヱの中に記述されています。後世になって、この「つるぎ」(剣)を作った人が一つ目小僧と呼ばれるようになったことが分かります。

① 「つるぎ」(剣)が生まれる元になったのは、「天」の「鉾」(ほこ)を示していました。

「クニトコタチ」までの大昔の人々は、皆素直で法を守っていたので鉾など不要のものでした。平和な時代が続いていました。

 

 天神4代の「ウビチ二」の世になり陰りが生じ、天神6代の「オモタル」の代になると、「とき者」(目先の利く者、隙を狙う者、盗人)が現れ、他人の物を奪うようになりました。

この「とき者」に対処するため、斧を使って斬り、そして治めました。

 

斧は木を切る道具だったので、「かねり」(鍛冶人)に鉾を作らせました。この鉾(ほこ)で「とき者」を斬ったら、世継ぎがいなくなってしまいました。逆鉾(さかほこ)とは、逆らう者を治めるという意味になります。

 世継がいなくなったということは、天神6代「オモタル」で代が途絶えてしまったことを言っています。

「アメミオヤカミ」(天祖神)・・・「アメミナカヌシ」・・・「クニトコタチ」・・・「クニサッチ」・・・「トヨクンヌ」・・・「ウビチニ・スビチニ」・・・「オオトマエ・オオトノチ」・・・「オモタル・カシコネ」・・X

 天神7代として、新たに豊受神が世継として、イザナギ(タカヒト・カミロギ)を探し出します。 仲人を立て娘のイザナミ(イサコ)と夫婦になり、両神(ふたかみ)となります。

 その後、天照神の代になり、「つるぎ」(剣)が登場します。

②「つるぎ」(剣)のそれぞれの文字の意味は、

 「つ」は、木の年齢(よわい)のことで、「あ」(天)に尽きて(つきて)の「つ」を意味しています。天命が尽きる「つ」です。

 「る」は、柴(雑木)が、枯れ木になって燃えるように「るぎ」の炎のことです。「る」は木の霊です。

 「ぎ」は木が枯れて、寿命が尽きて思い残すこと(生への執着)がない状態を言います。

③ 天照神は10人の鍛冶人(かねり)に「つるぎ」(剣)を作らせます。その中の一人に秀でた者がおり、左右の眼に活き枯れがあることを教えます。

 「汝が作った「つるぎ」(剣)の刃は良く鋭利である。しかしながら、左右の眼(まて・両方)の活き枯れのあることを知らないようなので教えましょう。」

 「た」(左)の眼は春の生き生きとした気力があります。「た」(左)目の生気(眼力)を入れ込んで「つるぎ」(剣)を練り上げて(鍛造して)造り上げると、出来上がった「つるぎ」(剣)は、生き身(活気身・善人・罪なき者)に近く、枯れ身に疎いものになります。

 使い方を誤れば、生き身(活気身・善人)を斬り殺すことになり恐ろしいことになります。

 一方、「か」(右)の眼は秋の枯れていく「気」(気配・自然の流れ)になります。この「か」(右)の眼力で「つるぎ」(剣)を練り上げて(鍛造して)造り上げれば、出来上がった「つるぎ」(剣)は、枯れ身に近く(親密で)、生き身(活気身)に疎いものになります。

「か」(右)目の眼力を入れ込んで鍛造した「つるぎ」(剣)は、「枯れ身」(罪人)を好み、「生き」(善人)を恐れます。この「つるぎ」(剣)は、悪に立ち向かい、善には見向きません。

 「か」(右)目の眼力を入れ込んで鍛造した剣こそが、青人草(民)を治める宝物です。「た」(左)の眼を閉じたまま、「か」(右)目だけの気を入れて「つるぎ」(剣)に叩ぎあげなさい(鍛造しなさい)と宣いました。

④ 鍛冶人は、畏れ多く思い、100日の物忌み(祭事において神を迎えるために,一定期間飲食や行為を慎み,不浄を避けて心身を清浄に保つこと)をしました。心身とも清浄になり、「か」(右)目だけで「つるぎ」(剣)を鍛造しました。

 そして、八振り(八本)の「つるぎ」(剣)が出来上がりました。

 天照神は、出来上がった「つるぎ」(剣)を前にして、詔りをされました。

「今、この目の前にある「つるぎ」(剣)は、我が心に良く叶っており、今のこの世を治めるにふさわしい宝物です。名前も八重垣の「つるぎ」(剣)と名付けることにします。」

 ⑤天照神は、この「かねり」(鍛冶人)を褒めて、天目一箇(あまめひとつ)の神という名前を賜われました。

 この天目一箇(あまめひとつ)の神が、おとぎ話や伝承に「一つ目小僧」という名前になったものと思われます。

 この場所は、火を使っており危険でもあり、神聖な場所であったので、近づけないようと、お化け伝説にされたことも分かります。

⑥ この出来上がった八本の「つるぎ」(剣)は、「かなざき」と六将神「ふつぬし・たけみかづち・かだまろ・いふきぬし・たちからを・くまのくすひ」の6人に賜わりました。残りの一本は天照神が持っていて、後に「くしひこ」に賜うことになります。

 この剣の功績は「つるぎ」(剣)の持つ勢い(威力)によるものでした。

枯らさなければならない者(罪ある者)は枯らして(剣自身が殺すべき者は殺し)、生かさなければならない者(罪なき者)は、生き(生)を得ました(剣自身が生かす者は殺さない)。

 

 例えば、林を切り開くとき、切り出して邪魔になった木を焚く(燃やす)とき、「こたま」(木の霊・精霊)が既にいなくなっているように、斬るべき咎(罪)は、全て斬りつくされることによって、思い残すことはありません。

 自分自身の驕りを守る垣が八重垣の剣です

もし、民が驕り身の程を忘れて、遂には「つるぎ」(剣)を受けるようなことにでもなったときに、受けさせてはならないと判断するのが身を守る垣になります。

 もしも、司(国神)に驕りが生じて(自分の勝手で)、民を枯らす(殺す)ようなことにでもなったら、非常に罪が重いものになります。

 このような時には、緯糸役(織物に例えて、たて糸が命令系統であるのに対して、よこ糸は第三者の目として監視することを示している)である緯部(よこべ)が、「あらためて」(検察して)その民を生かします。(殺すことが正しいかどうか取り調べて明らかにします)

 臣・小臣は、自分自身の驕りを表に出すことなく、こらえて、天成道を守りなさい。

常に天成道を守る心がけでいることが、自分自身を守る垣になり、まさに八重垣の剣とはこのことです。

以上


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by hon-hotsuma | 2018-03-22 20:09

糖尿病は砂糖で治す!

書感

糖尿病は砂糖で治す!甘いものに目がないのは正しかった 糖の代謝こそが命の源

健康常識パラダイムシフトシリーズ 崎谷博征著 鉱脈社 20179月発行

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 健康常識パラダイムシフトシリーズ崎谷博征著の3作目です。

 著者は脳神経外科専門医で、ガンの研究で医学博士取得。現在、ロイヤルホリスティッククリニックでガン、難病、原因不明の慢性病を対象にした治療を確立し、根本治療指導に従事、生活習慣の改善による自然治療、及び土壌からの健康改善の活動に力を注いでいる。と、あります。

☆聞きなれないカタカナの医学用語や専門用語が多く難しく、用語の意味を知らずに各パーツの働きや流れの説明を理解するのは困難。醗酵食品が醗酵するのに時間が必要なのと同じように理解するまで時間がかった。

☆参考文献272件は全て海外の資料で、国内の学説が遅れをとっているのか、国内の学説に真っ向から挑んでいるようで、この学説が明らかになったら困る筋の方や製造業者が圧力をかけているのかも知れないと思った次第。

☆今の私には未消化の個所もあり、本書の内容が全て正しいとは確証できないものの著者が真相を明らかにしていく熱意・勇気を称えたい。

 ☆本書を読むにあたって、「プーファ」という言葉の意味を理解していないと前に進めないので、1作目の「パーファ・フリーであなたはよみがえる」の説明部分を再提示した。

 「プーファ(PUFA)とは、多価不飽和脂肪酸(Polyunsaturated fatty acid)の略で、穀物、豆類に含まれている脂質成分であり、室温でも容易に酸化され、猛毒の「アルデヒド」を大量発生させる根源になります。  キャノーラ油、オリーブ油、菜種油、サフラワー油、大豆油、コーン油、セサミオイル、亜麻仁油などに代表される、植物の種を搾って化学薬品を使って分離した植物油脂(オメガ6系、リノール酸)のことを通称クッキングオイルという名前で呼ばれており、プーファ(多価不飽和脂肪酸)ということになります。 「体調を壊している人は、この「プーファ」(=クッキングオイル)が酸化して発生するアルデヒド(劇薬)を知らぬ間に体内に取り入れていますよ」という警告を発しています。(体内に入ると体温でも酸化してしまう) 「プーファ」の出現が、人類にとって最大の惨事とまで著者は言っています。」

 私は「プーファ」という言葉になじみがないため、著者が「プーファ」と言っている個所を「植物油脂」に置き換えて読んでみた。

本書の結論 

スイーツ≒砂糖 

従来の認識は、「甘いもの」=「砂糖を使ったもの」で、「砂糖」が悪者。

しかし、「お菓子、ケーキ、パンケーキ、クッキーなどの砂糖を使った加工食品」の甘いもの(sugary)と「砂糖」とは違うものである。

これらの加工食品は、小麦などの穀物(デンプン質)に植物油脂が混じっており、砂糖のせいではなく、デンプン質や植物油脂によるものである。

砂糖(あるいはショ糖、サクロース)≒糖(グルコース)

砂糖(サクロース)=糖(グルコース)+果糖(フルクトース)

糖尿病は砂糖(サクロース)で治るのであって、糖(グルコース)で治るのではない。

糖(グルコース)と果糖(フルクトース)のコンビネーションで、糖尿病で滞っている生命のエネルギー・フローが再開通する。

糖尿病は慢性病の代表だが、ガンを含めたすべての慢性病は、細胞レベルで見ると糖尿病と同じ代謝になっている。

エネルギー代謝というのは正確には「糖」のエネルギー代謝(糖の完全燃焼)のことを指します。

糖のエネルギー代謝(糖の完全燃焼)が、私たちの健やかな生命場(ヘルスィネス.フィールド:healthinessfield)を形成・維持・発展していく本体です。

一方の病気の場(シックネス・フィールド:sickness field)のエネルギー代謝(病的エネルギー代謝)は脂肪・タンパク質をエネルギー源としています。

糖の不完全燃焼を引き起こし、エネルギー・フローが完全に滞ってしまいます。

砂糖(サクロース)=糖(グルコース)と果糖(フルクトース)のコンビネーションは、生命体をシックネス・フィールド(病気の場)からヘルスィネス・フィールド(健全な生命場)へと変換してくれる本質的な物質です。

目次抜粋

1章 驚きの発見!糖尿病の治療は砂糖であった、実例

2章 糖の代謝が命の源

3章 糖尿病の真実

4章 高血糖は病気の原因なのか?

5章 ”砂糖″の驚くべき波及効果

1 オーストラリアン・パラドックス-デンプン質+植物油脂=肥満!!

2 砂糖、果糖で痩せる

3 果糖・乳糖はエンドトキシン(内毒素)も抑える

4 砂糖は最大のストレス防御物質

5 砂糖がもたらす良眠と覚醒

6 果糖(フルクトース)の驚くべき効果

7 「糖尿病が砂糖で治る」メカニズム

8 砂糖、ハチミツの驚くべき治療効果

9 糖(グルコース)でも治療効果がある

10 糖尿病を治すための食事

3章 糖尿病の真実から  なぜ糖が悪者になったのか?

1950年位迄は、病院でショックのときに備えてハチミツを手術室に常備していた。以降、化学合成されたコルチゾール(ステロイドホルモン)が登場し、ショックの治療に合成ステロイドに移行した。

同時期に、糖尿病薬(フェンホルミン、その後はメトホルミンなど)が開発され糖尿病の治療がインシュリンから糖尿薬へと置き換わります。この時期には「糖尿病は砂糖病だ」という激しいキャンペーンが繰り広げられます。

同時期に「コレステロールが心臓血管症を引き起す」という悪質極まりないキャンペーンも始まっている。

そして、植物油脂がコレステロールを低下させ、さらには「植物油脂が必須脂肪酸」という洗脳が始まります。

更に「砂糖はコレステロール合成を高めるので、心臓血管病の原因だ」という奇妙なデマが、うまくオメガ6系の植物油脂の販売促進に利用されます。

つまり、「砂糖は悪い。植物油脂は体に良い」というデマです。このような根拠のないポピュラー・サイエンスの垂れ流しは、数十年後のメインストリームの現代医学に反映されるようになりました。

それ以降、何の音沙汰もなく、植物油脂がグローバルに販促され、その一方では砂糖を悪玉にすることで、糖尿病のさらなる販促が継続して行われて現在に至っている。

5章 ”砂糖″の驚くべき波及効果から

①オーストラリアン・パラドックスという言葉があり、オーストラリアで19802003年に砂糖の消費と肥満の調査で、砂糖の摂取量23%減、甘味料16%減、全人口で肥満は3倍であった。

「砂糖の摂取で太る」神話は崩れ、ピザ、ケーキ、クッキー、ポテトチップスなどの菓子類が増えていることがわかり、素材はデンプン質で問題はオメガ6系の植物油脂の含有量が多く、肥満の原因になっていた。

「小麦(デンプン質)+植物油脂」を砂糖に多く含まれている食べ物と思い込んでいることが落とし穴である。

②果糖・乳糖はエンドトキシン(内毒素)も抑える

エンドトキシン(内毒素)は腸内細菌の細胞壁の成分であり、ストレス下で血液中の濃度が増え、単独で肥満、糖尿病を引き起す。

果糖(フルーツ)、乳糖(ミルク)はエンドトキシン(内毒素)を低下させる効果がある。

③ 砂糖は最大のストレス防御物質

ストレスが高まると甘いものが食べたくなる。砂糖のストレス軽減効果が確かめられている。砂糖はストレス反応で脳内に増えるコルチゾ-ルの合成をブロックする。コルチゾールは脳細胞を死滅させる作用があり、実際に認知症の治療でコルチゾールを抑える医薬品の臨床試験が現在行われているが、砂糖に勝るものはない。「砂糖中毒」の本質は砂糖がストレス反応を抑えること。

④糖尿病の臓器障害の原因は血管からのリーク!

身体にストレスがかかると脂肪分解(リポリシス)が起き、血管からタンパク質や血漿がリーク(漏出)する。著者は「リーキーベッセル」と呼んでおり、糖尿病の主徴候の一つにこの「リーキーベッセル」があり、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症はいずれも血管からアルブミンなどのタンパク質や血漿が染み出ること、つまり「リーキーベッセル」が原因です。

果糖(フルクトース)はこの血管のリークを抑える作用を持っている。実際に糖尿病と診断されている人(プーファ過剰状態)は、果糖(フルクトース)が欠乏しています。

⑤「糖尿病が「砂糖」で治る」メカニズム

「砂糖」(サクロース)は、ハチミツと同じく、「糖」(グルコース)と「果糖」(フルクトース)が50%ずつの二糖類です。

 「果糖」は、「砂糖」と比べても血糖安定作用、インシュリン反応性が穏やかです。

「砂糖」の糖尿病に対する治療効果は、「果糖」の効果が大きく、「糖」とのコンビネーションで相乗効果があると考えています。

 「砂糖」もPDH(ピルビン酸脱水素酵素)を活性化して「糖」の代謝を進めることが分かっています。

 糖尿病はPDH(ピルビン酸脱水素酵素)が植物油脂や乳酸によってブロックされていることで、糖のエネルギー代謝フローが滞っている病態です。

その滞りを解消する物質が「果糖」(「果糖」を含んでいる「砂糖」)なのです。

 PDH(ピルビン酸脱水素酵素)とは、糖のエネルギー代謝で形成されたピルビン酸はこの酵素によってミトコンドリア内で本格的なエネルギー産生に使用される。糖が完全燃焼される。

⑥糖尿病を治すための食事

デンプン質は、糖質摂取源としては推奨しない。

・反応性低血糖を引き起こす(インシュリンの大量分泌)

・小腸をすり抜けて、小動脈を詰まらせる(パーソープション)

・エンドトキシン(内毒素)を増やし、肥満や炎症反応を引き起こす。

 

デンプン質の中の穀物、豆類は植物油脂を含むため、過量摂取はランドル効果(糖-脂質サイクル)によって、糖の完全燃焼をブロック。

 さらに、穀物、豆類は肉類と同じくリンとカルシウム比の値が高く(リンが多い)、ミネラルバランスがあまりよくない。リンの過剰摂取は、副甲状腺ホルモン(PTH)の放出を引き起こし、リポリシス(脂肪分解)で体内に蓄積されている植物油脂(特にアルデヒドを発生させやすいオメガ3)を放出させる。

 

 デンプン質で消化が悪く腸内発酵するものはエンドトキシン(内毒素)を増加させるために避けたほうが良い。

 デンプン質でエンドトキシン(内毒素)の面で安全なものは消化の良いもの(ただし、反応性低血糖の問題がある)。

 ちなみにセルロースを含む食材は腸内微生物が発酵できない(エサにできない)ので推奨。例えば、生のニンジン、タケノコ、キノコ類といったものにセルロースは含まれている。これらはエンドトキシン(内毒素)の発生を抑える。

 デンプン質は基本的に糖(グルコース)のポリマーです。

果糖(フルーツ)が全くないのも糖質源としてはデメリットが大きい。

 高フルクトース・コーンシロップ(HFCS)も砂糖と同じく、糖と果糖が11の割合で含まれるという触れ込みだが、分析したところデンプン質が含まれていた。過量摂取するとデンプン質の負の側面が出てくる。

 

 理想の糖質源は、果糖(フルクトース)か、果糖が入っている二糖類です。食材でいえば、砂糖(ショ糖)、ハチミツ、フルーツ、フルーツのピューレ、アガベシロップなどです。

 シンガポールなどの東南アジアではサトウキビを搾ったショ糖液が、最高のエネルギー代謝改善食といえる。

  

タンバク質・脂質では

 エネルギー代謝以外に体の構造・機能維持のために、タンパク質・脂質の摂取も欠かせません。

  タンパク質は、ストレス反応を起こさないアミノ酸が豊富に含まれている食材を推奨しています。グリシン、プロリンといったアミノ酸は、炎症やストレス反応を抑えてエネルギー代謝を高め、糖尿病の治癒作用があります。

 

 食材としては動物の筋肉部分ではなく、グリシン、プロリンのアミノ酸が豊富に含まれるゼラチン質(コラーゲン)やガラスープを推奨しています。

 その他、卵黄、貝柱、牡蠣、乳製品(生乳、ヤングヨーグルト、チーズなど)、さつまいもなどはアミノ酸組成がよいため推奨しています。

 動物の筋肉部位はエネルギー代謝を低下させるアミノ酸(トリプトファン、メチオニンなど)が含まれているので、過剰摂取は血糖コントロールが悪くなります。

 脂質は植物油脂(オメガ&6)を避けることにつきますが、脂肪の摂取は食事を美味しく食べるためにも欠かせません。脂溶性ビタミン(ADEK)の吸収にも必要です。

 良質な糖質、タンパク質に加えてバター、ココナッツオイル、牛脂などの飽和脂肪酸を足すと糖の吸収も遅くなり、急激な血糖上昇やストレス反応を引き起こすことがなくなります。ちなみに余剰の糖、果糖は、細胞内で飽和脂肪酸であるパルミチン酸に変換されます。

 パルミチン酸は、ストレス反応で放出されるコルチゾールの合成を抑え、心身をストレスから守る保護ステロイド(プレグレノロン、DHEA)を増加させる効果があります。

 飽和脂肪酸を豊富に含む食材では、ココナッツオイル、バター、反芻動物(牛、鹿、羊)の脂肪分、卵(黄身)、乳製品、チョコレート(植物油脂を含まず、ダークではないもの)を推奨しています。これらの食材はストレスから守ってくれるコレステロールも含んでいますので糖尿病にも効果的です。

補足:

 プーファと呼ばれる不飽和脂肪酸は、オメガ3、オメガ6、オメガ9に分類。

熱で酸化し毒となるアルデヒドが発生する。

オメガ3:(亜麻仁油・えごま油・しそ油)、EPADHA(魚:サバ、アジ、サケ、イワシなど青魚)、くるみ、アーモンドの豆類。卵類や貝類、海藻類

オメガ6:紅花油・ひまわり油・コーン油など、市販の揚げ物や総菜、加工食品

オメガ9:オリーブ油・キャノーラ油など

以上


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by hon-hotsuma | 2018-03-13 13:08

相撲の起源をホツマツタヱの記述の中より

ホツマツタヱ・エッセイ

相撲の起源について

ホツマツタヱに相撲の起源となった記述があります。ホツマツタヱ35綾の後半に出てきます。

25行の57調のうたで記されています。時代は垂仁天皇の代になります。


あるとみきみに

もふさくは たまえくえはや

おゝちから

       ちかねをのばし

つのをさく かなゆみつくり

とこかたり

       これをふみはる

わがちから よにくらべんと

もとむれど なくてまかるや

ひたなげく

        きみもろにとふ

くえはやに くらぶるちから

あらんおや

       もふさくのみの

すくねなり ながおいちして

これをめす

       のみのすくねも

よろこびて あすくらべんと

みことのり ちからくらぶる

かみののり 

        すまゐのさとに

はにわなし

         たまえはきより

のみはつに あいたちふめは

のみつよく くえはやがわき

ふみてまた こしふみころす


ときにきみ うちはをあげて

どよませば とみもよろこび

くえはやが かなゆみおよび

たえまくに のみにたまわり

いえはつま つぎなしのみは

ゆみとりぞこれ

注釈


ある臣が君(垂仁天皇)に申されました。

「たまえくえはや」という非常に大きな力持ちがいます。

 鉄(ちかね)を引き伸ばし、牛の角をへし折り、

鉄の弓も曲げて作る力持ちだと、ところ構わず吹聴しています。

この鉄棒を撓めて弓を張ることができる俺の力を、

この世で力くらべをしたいが誰もいない。

俺はこのまま死んでいくのかとひたすら嘆いているとのことです。

君(垂仁天皇)は臣に誰か「(たまえ)くえはや」と比べる力持ちはいないのかと問いました。

すると、臣の一人が「のみのすくね」という者がいると進言しました。

 早速、「ながおいち」という臣に「のみのすくね」を呼び寄せるよう令しました。

「のみのすくね」もこれを聞いて喜びました。

明日、力くらべをやろうと詔が出ました。

「すもう」の土俵を宮中の外に作りました。

(江戸時代まで相撲、角力を「すまい」と言っていたようです。

土・埴(はに)を固めて作った事から今の土俵の元になっている)

「たまえ(くえはや)」は東(き)より、「のみ(のすくね)」は西(つ)から登場して、

お互いに(あい)立ち会って、しこを踏んで力を誇示した。

「のみ(のすくね)」は強く、「(たまえ)くえはや」の腋を踏み倒して、更に、腰を踏んづけて殺してしまいました。

勝負あったそのとき、君(垂仁天皇)はうちわを挙げてどよませました。

(軍配の始まり)周りの臣たちもよろこびました。

「(たまえ)くえはや」の作った金弓と「たまえ(くえはや)」の領土を

「のみ(のすくね)」に与えました。

しかし、「たまえくえはや」の家は「たまえくえはや」の妻に残しました。

「たまえくえはや」には世継ぎの子供がいませんでした。

「のみ(のすくね)」には、「ゆみとり」の勇士を与えました。


現在の相撲の弓取り式や軍配などに引き継がれている不思議さを感じます。

力士が東からと西から登場していたことも、土俵が作られていたこともわかりました。

以上

ジョンレノ・ホツマ




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by hon-hotsuma | 2018-01-20 15:27

書感:「大同類聚方」探索「病から古代を解く」

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書感:
「大同類聚方」探索「病から古代を解く」 槇佐知子著 新泉社 1992/8 初版、2000/6改訂版発行

「大同類聚方」とは、平安のはじめ、全国の神社や豪族などに伝わる医薬と処方を、勅命によって集大成された全100巻の日本最古の医学書だそうです。
明治(1912年)になり、偽書と断定され、歴史の闇に封印されてしまいました。
槇佐知子氏による「全訳精解大同類聚方」が1985年に平凡社より刊行され、その後1992年に普及版が全5巻(各巻5000円)で刊行されたがいずれも絶版になっています。
原本の内容の一部は国会図書館へのインターネットで確認できましたが、著者の解説本がないと原本の漢文を解読することは私には不可能でした。
そんな状況で図書館に本著者の関連した本の存在(保存庫)を知りました。本書は、「大同類聚方」から読み取った彼女の解読本の一つですが、おおよその内容から当時の様子が伺えます。

「漢方薬」という名称は広く知れ渡っていますが、古代日本において「和方薬」ともいうべき処方があったが、消し去られていたことを知りました。漢方から伝わったものという考えがあったように見受けられます。

なぜ、「大同類聚方」に、興味をもったかというと、ホツマツタヱの記述の中に、オオナムチ(大己貴命)とスクナヒコナ(少彦名命)が出会い、日本全国を巡り、薬草の記述が出てくる個所があります。
ホツマツタヱの記述には、ありとあらゆる分野の記述が織り込まれているので、専門分野や得意な分野の事であれば、おおよその解釈はできますが、それ以外のことについては思い込みで的外れの解釈をしてチンプンカンプンです。
全てを知り尽くしている人はいないと思います。そこで、解らないなりに解釈するために、先人者の解釈を良しとしてそのまま引用したりしています。100人いたら100通りの解釈があると言われるのも頷けます。

今回、本著者の解読書の中から、興味ある内容が伺えました。
病気の症状、草木や鉱物の薬効や薬名などの他に、多くの処方された人の名前などを読み解いていくと、新たな発見が見えてきます。
大陸から伝えられたものがあったにせよ、漢方とは違う日本古来のものがあったと解釈できるのではないかと思えます。
ホツマツタヱを解読するのに、この分野の記述を確かなものにすべき非常に貴重な本であると思いました。





多岐にわたるため、いくつかの記述のみ取り上げてみました。

1.花鎮(はなしずめ)薬 
(花鎮祭) 桜の花が散るとき、疫病の気が四方に飛び散って流行すると考えた古代の人々が、これを鎮めるために、桜の花と桃の樹皮を用いた。
これは、大神(おおみわ)神社に伝わっている薬方で、ここの御祭神はオオナムチ(大己貴命)とスクナヒコナ(少彦名命)で、我が国の医業の鼻祖として広く知れ渡っている。

2. イザナギが亡くなったイザナミを追い求めて黄泉の国へ行ったくだりで霊薬が出ている。タケノコは渇きの病の薬、気力をつけ体内のすい液のめぐりをよくする食べ物だがたくさん食べることは禁じられている。ブドウやタケノコを死神の使いの黄泉醜女(よもつしこめ)が追うのを忘れて食べたという設定は、病勢が弱まった状態を示している。

3.桃の実(桃子・とうし)は薬用と同時に呪術的な力があると考えられていた。
桃は中国原産と言われていますが、ホツマツタヱ24綾の記述の中に、ウケステメ(後のニシノハハ神・西王母)が2回来日して、ミネコシ(峰でも使える輿)を寄贈されたお礼に桃を土産に持たせています。これが国に帰ってから貴重なものとして広まったことが原産地になってしまったと思われます。

4.硫黄を使った薬 酔い止め 精神安定剤 美肌薬などの効用と作り方などの記述。

5.阿可利薬(アカリヤク)は、 身痛くて、ほてり、たわごとを言うものに用いる
 やまごぼう・葛根・朴皮・はじかみ・セッコク(ラン科)を配合する。

6.カザホロシヤミは、現在で言う、 風疹・ハシカやチフス、ツツガムシ、ジンマシンのように皮膚に発疹が出る病気、帯状疱疹を示していると思われる。
カハヤナギ(ネコヤナギ:解熱剤・下痢)・ツチタカラ(独活:解熱・鎮痛・発汗)・ハチスノミ・ヤマセリ・カラスクハヒ(滋養を与え虚寒の症状を正常に)の薬草を配合する。

古代の人が抱えていた病や、当時の薬草の名前やその処方の仕方から、当時の生活様式の一端が伺い知ることができました。

なお、著者は平安・鎌倉時代にかけての「医心方」全30巻の翻訳もされております。
「自然に医力あり」(スギ花粉症の治療法と杉の文化史・自然の癒し・医心方の世界・夏から秋にかけての健康法・古代人の健康法に学んで等々)や、「野菜の効用」(医心方4千年の知恵から)なども刊行している。 
以上

ジョンレノ・ホツマ
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by hon-hotsuma | 2017-03-27 12:45

土と内臓 微生物がつくる世界(原題:The Hidden half of Nature)

書感                     ジョンレノ・ホツマ
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土と内臓 微生物がつくる世界(原題:The Hidden half of Nature)
ディビット・モントゴメリー+アン・ビクレー著 片岡夏実訳 築地書館 2016.11発行 2700+α

著者はワシントン大学教授。地形の発達、地形学的プロセスが生態系と人間社会に与える影響を主要な研究テーマとしており、奥さんは、生物学者、環境プランアーであり、共著。
著者が購入した家の芝生の庭に、灌木や樹木を植え草花を植えようとしたら、地面の下はコンクリートのような氷礫土であった。堆肥を集め、木くずや落ち葉、ウッドチップ、スターバックスのコーヒーかす、動物園のdoo(うんち)など、5年かけて豊かな土壌に改善した苦労が描かれている。
しかし、奥さんのアン・ビクレーが子宮頚部細胞の癌になってしまい、手術を無事に終えた後、癌と食生活の関係を考えるきっかけが出来ます。それまでの体験を通じて、人間の体内の微生物の捉え方を見る目が変わってきた経緯を詳細な研究調査の結果を踏まえてまとめています。。

植物の根と、人の内臓とは、全く結びつかないものでありながら、著者の視点から見えたのは、豊かな微生物の生態圏という中で捉えると、全く同じ働きをしていることが確認できたからである。

訳者あとがきから、ポイントを抜粋すると、コッホやパスツールらの病原体の発見以来、病原体としての微生物(細菌論)の考えに基づき、様々なワクチンや抗生物質が作られ、おかげで多くのひとの命が救われてきた。しかし、抗生物質の乱用は薬剤耐性菌を生み、また体内の微生物相を改変して免疫系を乱して慢性疾患の原因になっている。
同じことが、土壌でも起きている。有機物と土壌の肥沃度の関係に気づき、農地に堆肥や作物残滓などを与えてきた。科学者が、有機物に含まれる栄養分は植物の成長に寄与していないことを発見すると、化学肥料がそれにとって代わった。当初、科学肥料の使用で爆発的に収穫が増大したが、やがて収量は低下し、病気や害虫に悩まされるようになった。実は、土壌中の有機物は植物そのものではなく土壌生物の栄養となり、こうした生物が栄養の取り込みを助けて、病虫害を予防していた。と、うまくまとめています。

農地、土壌に棲む微生物へ、また、人の体内に棲む微生物へも、良かれと思われていた昨今の無差別攻撃を疑うきっかけが生じた。人間が行ってきた歴史を振り返ったとき、微生物の存在、働きを理解し、微生物を主体として見ると、食べ物や医療など良かれと手を加えてきたことがむやみに微生物に攻撃をしてきたことに気づき、見方が変わった。

一見飛びつきにくい内容、ボリュームでしたが、根底の微生物の動きからくわしく観察しており、経緯が凝縮されており、個々の内容は多岐に亘るので省略しました。
以下に目次の項目のみ列記いたします。

目次

はじめに-農地と土壌と私たちのからだに棲む微生物への無差別攻撃の正当性が疑われている

第1章庭から見えた、生命の車輪を回す小宇宙

死んだ土/堆肥を集める/夢にみた庭づくり/夏の日照りと冬の大雨/スターバックスのコーヒーかすと動物園の糞 手品のように消える有機物/花開く土壌生物の世界/五年間でできた沃野/庭から見えた「自然の隠れた半分」

第2章高層大気から胃の中まで-どこにでもいる微生物

どこにでもいる微生物/生き続ける原始生物/遺伝子の水平伝播もしくはセックスによらない遺伝的乱交/牛力発電

第3章生命の探究-生物のほとんどは微生物

自然の名前-リンネの分類法/ちっぽけな動物たち-顕微鏡の発見/発酵する才能-パスツールが開いた扉/生命の木を揺さぶる手-ウーズの発見/ウイルスの分類

第4章 協力しあう微生物-なぜ「種」という概念が疑わしくなるのか

微生物の共生/細胞の一部でありながら一部ではない-ミトコンドリアと葉録体/マーギュリスとグールド/シンビオジェネシスー別個の微生物が合体する/生命の組み立て

第5章 土との戦争

氷期のあとで/光合成の発見/最少律/小さな魔法使い/還元の原則-ハーバーボッシュ法とハワードの実践的実験/化学肥料はステロイド剤/触媒としての微生物/「農業聖典」とアジアの小規模農業/土壌の肥沃度についてのパラダイムシフト/第二次大戦と化学肥料工場

第6章地下の協力者の複雑なはたらき

土中の犬といそがしい細菌/太古のルーツ/根圏と微生物/食べ物の力/植物と根圏微生物の多彩な相互作用/菌類を呼ぶ-植物と菌類のコミュニケーション/沈黙のパートナー-土壌生態学が解明する地下の共生・共進化

第7章 ヒトの大腸-微生物と免疫系の中心地

がんが見つかる/手術後に考えたこと-がんと食生活/サケの遡上と川の環境/コーヒーとスコーンの朝食/がん予防の食事-ハイジの皿/美食の海で溺れる/食事をラディカルに見直す/食べる薬を栽培する菜園/ヒトマィクロバイオーム・プロジェクト/人体の中の微生物/大腸はなぜ免疫系の中心なのか

第8章 体内の自然

減った病気と増えた病気/免疫の二面性/過ぎたるはなお/二つの免疫/恐れ知らずの探検家/   抗原という言語/炎症のバランス/微生物の協力者/共生生物の種/バクテロイデス・フラギリスの奇妙な事例/ちょうどよい炎症/太古からの味方

第9章見えない敵-細菌、ウイルス、原生生物と伝染病

ポリオ/天然痘/センメルワイス反射

第10章 反目する救世主-コッホとパスツール

シルクとパスツール/顕微鏡とコッホ/細菌の分離/細菌論のルーツ-培養できる微生物に限定される/奇跡の薬/奇跡の値段

第11章 大腸の微生物相を変える実験

内側からの毒-腕内微生物と肥満/脂肪の二つの役割/腸内細菌相の移植/消化経路-胃・小腸・大腸の役割/ゴミを黄金に-大腸での発酵細菌の活躍

第12章 体内の庭

プレバイオティクス/婦人科医療と細菌のはたらき/糞便微生物移植の効果/穀物の問題-完全だった栄養パッケージをばらばらにする/内なる雑食動物/食生活を変えて腸内の微生物ガーデニングを意識する

第13章

 ヒトの消化管をひっくり返すと植物の根と同じ働き
自然の預言者/減った栄養素/諸刃の遺産/ミクロの肥料/見えない境界線-根と大腸は同じはたらき

第14章 土壌の健康と人間の健康-おわりにかえて
以上
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by hon-hotsuma | 2017-02-22 11:44

書感:超初心者のためのサイバーセキュリティ入門

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書感:超初心者のためのサイバーセキュリティ入門
 あなたのスマホは大丈夫!?
齋藤ウィリアムス佑幸著 文春新書 800+α

著者は1971年生まれ、暗号・生体認証技術の専門家総理大臣直属の国家戦略会議の委員を務め、内閣府参与に任命されている。
 最近、「サイバー・・・」とか話題をにぎわしているものの、自分の身の上での実感がなかったために今一つピンと来ないものがありました。
本書により、自分には関係ないと思っていたインターネットでGoogleやアマゾンなど自分のチェックした項目、商品について後日の自分のPC画面にこれらに関した広告を頻繁に見るようになっていたことに改めて気が付きました。

幾つか気になったポイントや言葉を含めて自分なりに拾い出してみました。

I o T機器が育児や介護の未来を変える・・・しかし?
 インターネットへの接続は身近な生活をあっという間に便利に作り変えてくれた。しかし、それは新たな危険の始まりでもある。例えば、介護ロボットが暴走したら・セキュリティの問題を考慮、おろそかにしてはならない。サイバーセキュリティを制したものが未来を楽しめる。
(I o T=Internet of Things:あらゆる物がインターネットを通じてつながることによって実現する新たなサービス、ビジネスモデル、またはそれを可能とする要素技術の総称。物のインターネット)
(サイバーセキュリティ:仮想空間における脅威や脆弱性の対策を行うこと)

Googleの検索サービス、Googleマップ、メールはGmail、暇つぶしにはYouTubeで動画鑑賞。これだけ便利に利用していてもGoogleに一円でもお金を払った記憶はない。Googleの収入源の90%は広告収入、ユーザーには無料でサービスを提供する代わりに、サービスや商品をPRしたい企業から報酬を受け取り、広告を出す場所を貸すことで収益を上げている。Googleを見ていて出てくる広告は、貴方の趣味趣向と非常にマッチしており、貴方の個人情報を抜き取り、蓄積し、精度の高い情報を支配している。
無料のサービスには無料で成り立つだけの理由があり、世の中にはタダより高いものはない。
Googleの例で分かるのは「個人情報はお金になる」ということ。「お金をもらうサービスよりも個人情報をもらうサービスの方が結果的にお金が儲かっている」ことがわかる。

インターネット上の情報の多くは、サービス提供者のサーバーに保存され、多かれ少なかれ流出の危機にさらされています。一度でも誰かに預けてしまった個人情報は、物理的なモノと違って取り戻すことが出来ずに、適切な管理を信じて任せるしかなくなってしまう。だからこそ、インターネットの世界にはセキュリティが大切です。サイバーセキュリティとは、無防備な状態で危険にさらされたままの大切な情報を、いかに守るかの試行錯誤に他ならない。最終的に自分自身の大切な情報を守ることに責任を負えるのは自分自身だけ。


アメリカのマイナンバー制度は個人を丸裸にしている。SSN(Social Security Number)とは、社会保障番号、日本で言うマイナンバーです。アメリカ人にとってのSSNは親にさえ知られてはならな程もっとも重要性の高い個人情報。これが無ければまともな就職はできない、銀行口座を作ることもできない、信用調査に使われ、収入がいくらか、ローンがいくつあるか、借金をしているか、全てが筒抜けです。不法移民が仕事を得るため未成年者のSSNを盗みアメリカ人になりすました例や、身に覚えのない高額な請求が突然送られてきたり、確定申告の還付金1万3千人が「なりすまし」で騙し取られたケースもある。

インターネットへの個人を特定できる書き込みは控えよう
インターネットに何か情報を掲載する際に気を付けたいチェックポイント
1.個人情報を極力書かない(氏名、居住地、家族構成、連絡先など)
2.写真や書き込みの位置情報を表示しない。
3.旅行など長期の外出や日常的な不在時間を想像させる書き込みはしない。
4.反社会的な表現はしない。
5.読んで不快になる人がいる書き込みはしない。
この5つを押さえておけばほとんどのトラブルを回避できると思う。

パソコンやスマートフォンは監視されていると考えよう
インターネットに繋がるすべての電子機器には、ハッカーに監視されている可能性があります。自分が所有するパソコンやスマートフォンに自分でマルウェア(不正な機能またはプロセスを実行することにより、システムの運用を阻害する悪意あるソフトウェア)をインストールするなんて考えても見ないことでしょう。しかし、あなたの電子機器を監視するためのソフトウェアは予想もつかない方法でいつの間にか外部から侵入を果たしている。代表的な手口は、メールの添付ファイルです。「これは何かな?」とよくわからない添付ファイルをクリックしてしまうのは絶対NG。ウィルスに一瞬で感染したあなたのコンピューターは、あなたを監視するだけでなく、アドレス帳にアクセスして家族や友人や取引先にも同じウィルスをばら撒こうと機能します。」そういった意味では、アドレス帳に記録している知人からのメールでも正体の不明なファイルは開いてしまったら、もうアウトです。「全ての電子端末はハッカーに監視されている」・「自分も狙われている」という前提を意識することです。

もう少し、違ったアプローチもあります。もし、コンピューターのパッチ(プログラムのバグを修正するための修正プログラム)をアップデートしたこともないような方がいたら、代わりにそれをやってあげるのです。SNSに個人情報を書き込む人がいたら「空き巣が見ているよ」と、その都度、声をかけてあげましょう。
便利さは安全安心と結びついてこそ成り立つもの。
サイバーセキュリティはもっと身近な一般常識として日常的な会話の中で語られないといけないことでないだろうか。

(SNS:ソーシャル・ネットワーキング・サービス(social network service)とは、社会的ネットワークをインターネット上で構築するサービスの事である。代表的なソーシャル・ネットワーキング・サービスとして、日本最大の会員数を持つmixi(ミクシィ)、モバイル向けのGREE(グリー)、モバゲータウン、海外では世界最大の会員数を持つFacebook(フェイスブック)、それに次ぐMyspace(マイスペース)などがある)

以下に目次の一部を列記します。一通り目を通すだけでも参考になると思います。

目次
はじめに 
セキュリティ意識調査テスト
サイバー攻撃を仕掛けてくる敵は誰?
悪意のあるプログラムには三種類ある?
第1章
あなたの個人情報は毎秒盗まれている
LINE乗っ取りで社会的信用は一秒で失われる
空き巣はSNSで侵入先の世帯を選ぶ
指紋認証は素人でも一秒で突破できる
銀行からのメールはフィッシング詐欺
コンピューターを使っていない人もハッキング被害を受ける
I o T機器が育児や介護の未来を変える・・・しかし?
第2章
サイバーセキュリティとは何か?
個人情報は大切な資産、今ではお金より価値が高い
全ての個人情報はインターネットに格納されている
アメリカのマイナンバー制度は個人を丸裸にしている
自動運転車が運転手の命を脅かす
電気、水、交通、金融・・重要インフラは明日にも停止する
東京オリンピック・パラリンピックは地球の裏側から妨害される
攻撃的なサイバー技術者はコピペで増殖する
サイバー攻撃で大企業が倒産する未来が来る
サイバー戦争は核戦争の次の脅威である
2025年、人工知能は人類の能力を超える
サイバーセキュリティは二十一世紀最大の成長産業
インターネットはサイバーセキュリティの恩恵で発展してきた
第3章
誰にでもできるサイバーセキュリティ
現実世界よりもサイバー世界のセキュリティを重視しよう
サイバー攻撃を防ぐ十一箇条
パソコンやスマートフォンのパッチを更新しよう
厳重なパスワードとは何かを知ろう
インターネットへの個人を特定できる書き込みは控えよう
パソコンやスマートフォンは監視されていると考えよう
ネットに繋がるスマートデバイスに用心しよう
それでもアナログをデジタルに置き換えよう
サイバーセキュリティを楽しもう

以上

ジョンレノ・ホツマ
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by hon-hotsuma | 2017-01-11 19:26

書感:クモの糸でバイオリン

書感:クモの糸でバイオリン 大崎茂芳著 岩波科学ライブラリー 1200+α

以前、「クモの糸~」がTVか何かで話題になったような記憶はあったものの、細いナイロンと比べられるものかどうかもわからず、クモの糸をどうやって採取するのか、何を実現不可能なことをやっているのか、奇人変人か、常識ではありえないことだと気にもしていませんでした。
今回、図書館の新刊リストに本書を見つけ、自分の思い込みであったことを知り、一気に読み切ってしまいました。
著者は40年に亘りクモ一筋!一言で言えば、ここまでやるか!まさに何が得られるかもわからない目的に向かって食いついていけば、結果は向こうからやってくる!という表現がこの著者のためにあるように思いました。著者に拍手喝采です。古代の言葉(ホツマ用語)で言えばヨロトシ!(万歳)です。
著者は、大学院で粘着紙の研究中に総説としてまとめる過程で、ふとクモの巣が頭に浮かび、クモの糸の物理化学的特性を調べた研究はほとんどないことを知り、未開拓分野に魅力を感じたのが発端とあります。

屋外でクモを観察し生態を理解しようという気になったり、クモから糸を取り出す方法を考え付いたり、苦労の末、実験に使える糸が得られ、物理化学的な性質を調べて、クモの糸を詳しく調べ上げていくのには、著者の以前の経歴が向かわせたのに他ならない。本業は粘着紙の研究からマイクロ波という電磁波を用いた分子や繊維の配向性の研究へシフトしていたことが、クモの糸に結びついたというのは何か著者にとって運命的であったように思えます。クモの方から呼びかけてきたとしか思えないからです。

具体的には、クモには、7種類の糸があり、電子顕微鏡で糸によって様子が違うことを知り、縦糸は4本の細い繊維からなり、横糸は2本で粘着球という粘着剤が間隔を置いて配置されている。牽引糸というクモにとって命綱で、クモが自ら降りてくるときに出す糸が、本実験の糸になります。
この牽引糸をどうやってクモに出させるか、クモとのコミュニケーションや糸を出してもらうための環境づくりなどいろいろな苦労があったし、何本も束ねなければならないため、物理的な量のクモの糸を集めるのも大変なことであったと思います。


牽引糸の弾性限界強度はクモの大きさに関係なく体重の約2倍であることを知り、電子顕微鏡で2本の細い繊維から成り立っている安全則を確認、たとえ1本が切れても支えられるゆとりになっていることに感心。

大量に集めたコガネグモの糸を使って糸を束ねて人を吊る実験を何回も失敗を重ねながらも100kg以上の強度を得ることに成功してきていた。
その後、クモの糸は力学的に強く、さらに弾性や柔軟性もあることがわかってきて、この特徴はバイオリンの弦にも向いていると考えるに至っていた。

周りの出会った人たちも、著者の奇想天外な実験に応援する姿がありありとうかがえます。著者の熱意から環境の良さに恵まれ、クモの糸をストラディバリウスに取り付けて奏でられ、世界的な反響を巻き起こしていたことを本書によって知りました。
以上

ジョンレノ・ホツマ
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by hon-hotsuma | 2016-12-22 11:43

12月21日は回文の日だそうです

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      先ほど、12月21日は回文の日と知り、以前書感にしたことを思い出し、再度投稿します。

書感:                               ジョンレノ・ホツマ
土屋耕一回文集 軽い機敏な仔猫 何匹いるか 土屋耕一著(故人) 角川文庫 昭和61年発行


先月(2014年3月)の読売新聞の編集手帳に「回文」のことが取り上げられており、本書の存在を知りました。



まえがきに、回文というのは、上から読んでも下から読んでも同じ文になる文のことです。
昔から「タケヤブヤケタ」が有名です。回文の作り方は、先人の残した伝承ですが、仮名づかい、とくに濁点は現代表記に従って変えているとあります。


さらに、まえがきには、
「長き夜の 遠の眠りの 皆 目覚め 波乗り船の 音の良きかな」
(ナカキヨノ トヲノネフリノ ミナメサメ ナミノリフネノ ヲトノヨキカナ:ホツマツタエ本文より)
という歌が、お正月の宝船に添える歌として古代から受け継がれてきた回文歌の名作です。とあり、同じ歌が「まわりうた」(廻り歌)として、ホツマツタヱにもあることに感心しました。

しかし、ホツマツタヱにある、上から読んでも下から読んでも同じという廻り歌(回文)の意図は、その歌を聞いたものは、返事のしようがない。つまり返歌できないことを意味していました。この歌を聞いたら最後、そこから逃げられずに言うことを聞かざるを得ないという意味合いがあったようです。
当時は、相手に対し、歌を詠んだら、その歌を受け取った者は同じ韻を踏んだ歌で返事をする世界であったようですが、返事が返せないようになっていたということになります。

ホツマツタヱの説明では、「御幸」の船に乗っていた時、風が激しく波を鎮めようと風の神に廻り歌を詠んだ歌で、「かなざき」(住吉の神)が、波を鎮めるという願いを、風の神を相手に詠んだ歌になります。
この歌を詠んだ結果、風は止み海は静かになって船は心地良く進み、阿波(徳島)に着きました。
これが、後世になって、縁起が良いので宝船となって伝えられて今に伝わえていたのでしょう。

もう一つ、ホツマツタヱにしか受け継がれていないと思われるものに、ワカヒメ(天照神のお姉さん)が、勅使としてやって来たアチヒコに一目ぼれして、歌冊(短冊・うたみ)に詠んだ恋文があります。

紀州こそ 妻を身際に 琴の音の 床に吾(我)君を 待つぞ恋しき
(キシイコソツマヲミキワニコトノネノトコニワキミヲマツソコイシキ


紀州にいらしてください。私は貴方の妻となって、いつも、御そばで琴を奏でて差し上げましょう。布団を敷いて貴方が来られるのを恋しい想いでお待ちしています。この歌で、結ばれ、オモイカネと名が変わりました。


本書の前書きには、回文はその後、短歌になり、連歌になり、俳句になり、或いは口頭遊戯になりなどして、さまざまな展開をみせたのですが、近ごろでは、まったく聞かなくなってしまいました。
現在では、ごく一部の方を除けば歌の世界に居られる方は稀になっていますので、このような世界は消滅してしまったと思われます。





本文にある、回文の幾つかです。

求む友 (モトムトモ)
占い習う (ウラナイナラウ)
皆はお花見 (ミナハオハナミ)
関係ない喧嘩 (カンケイナイケンカ)
ママが私にしたわがまま (ママガワタシニシタワガママ)
スマートなトーマス (スマートナトーマス)
軽い機敏な仔猫何匹いるか (カルイキビンナコネコナンビキイルカ)
酒を互いに新潟おけさ (サケヲタガイニニイガタオケサ)
品川に今棲む住まい庭がなし (シナガワニイマスムスマイニワガナシ)
いい女 モテてモテても難を言い (イイオンナモテテモテテモナンヲイイ)
力士手で塩なめなおし 出て仕切り (リキシテデシオナメナオシデテシキリ)

以下は別の土屋耕一シリーズより

新年、年始 (シンネンネンシ)
桜ひらくさ (サクラヒラクサ)
桜切る、気楽さ (サクラキルキラクサ)
酒呑みな、花見の今朝 (サケノミナハナミノケサ)
花見にうとく、とうに、皆葉 (ハナミニウトクトウニミナハ)
ママが我儘 (ママガワガママ)
柚子湯 (ユズユ)

上から読んでも下から読んでも、同じであることには新旧どちらも違いがないのですが、現代は言葉の遊びで愉しんでいるのが良く分かります。古代ホツマツタヱの回文から進化して別物となって生き続けていることに感慨を覚えました。
艶物も多く見受けられ、高度なダジャレへと進化しているように見受けました。

以上
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by hon-hotsuma | 2016-12-21 18:28

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